最近、親知らずの抜歯を当日にキャンセルされる方が増えています。
結論から言うと、「できる限りキャンセルはしないでください!」「キャンセルが分かった時点ですぐご連絡ください!」というところに落ち着くのですが、患者さん目線からだと、せっかく予約したのにキャンセルしたくないと思っている中、やむを得ずご連絡をされている方もいらっしゃることと思います。
本コラムでは、これまで当院がキャンセル時にお聞きしたご事情をまとめ、キャンセルの可能性をできる限り少なくする方法について、お話ししたいと思います。
キャンセルされる患者さんのご事情としては、以下のようなケースが多いです。
親知らず抜歯は大きなストレスイベントです。
風邪や疲労などによる身体的な要因、不安や恐怖を感じるなどの精神的な要因で、このストレスイベントを乗り越えることができず、キャンセルされるパターンです。
急な体調不良は勿論やむを得ないのですが、疲労や不安・恐怖症状は事前の対策で軽減することが可能です。この後にご説明します。
親知らずの抜歯は1回の処置で終わっても、その後の消毒・経過観察・抜糸といった通院が必要です。
また、抜歯の難易度や位置によっては、CT撮影や外科的処置を行う場合もあり、想定より費用がかかることもあります。
こうした内容の確認が十分でないまま「その日で終わる」と思っていた場合、当日になって「仕事があるのに腫れたらどうしよう」「思ったより費用がかかりそう」と感じてしまう方がいます。
事前に治療内容・費用・通院回数の目安をしっかり確認しておくことで、こうした不安はかなり減らせます。
分からない点や気になる点は、どうぞ遠慮なくお尋ねください。
「仕事が入った」「学校の予定が変わった」「家族の送迎ができなくなった」など、スケジュール面での理由も多く見られます。
親知らずの抜歯は、通常の治療よりも予約時間を長めに確保しているため、急な予定変更が入ると調整が難しくなることがあります。
また、抜歯後は安静が必要な時間があるため、「この後に用事があるけど大丈夫かな?」という不安からキャンセルになるケースもあります。
事前に「抜歯当日は安静にできる日」を選んで予約を取っていただくこと、また予定変更が分かった時点で早めにご相談いただくことで、別の日程にスムーズに変更できます。
「無理かも」と思った時点で早めにご連絡をください。
これは駄目です!——と、先に大声で言っておきましょう。
親知らずの痛みは一時的に引くことがあり、それを理由に「もういいか」とキャンセルされる患者さんがいらっしゃいます。
しかし、親知らずが痛む原因の多くは、親知らずがむし歯になっているか、まっすぐ生えていないかです。
そして、痛みを感じるレベルのむし歯は自然治癒することはほとんどありませんし、痛むほど曲がって生えた歯が自然にまっすぐになることもほとんどありません。
そのため、一時的に痛みが引いたとしても、その原因までも解決しているとは言い難いのです。
先述したとおり、キャンセルしたくてしている患者さんはほとんどおられません。
急な体調不良や急用は勿論やむを得ない理由ですので、分かった時点でご連絡をいただければと思うのですが、それ以外の理由の多くは、軽減・解決することが可能です。
抜歯前日はしっかり睡眠をとり、当日も無理のないスケジュールでお越しください。
疲労がたまっていると免疫が下がり、腫れや痛みが強く出ることもあります。
体調を整えて臨むことで、治りもスムーズになります。
「最近少し疲れている」「体調が万全じゃないかも」と感じたら、前日までにご相談ください。
無理をして当日になってキャンセルするより、遥かに良い選択です。
「痛いのが怖い」「麻酔が苦手」「どんな器具を使うのか不安」など、心配なことは遠慮なくお話しください。
医師やスタッフは、患者さんが安心して処置を受けられるよう、麻酔のかけ方や処置中の声かけ、鎮静法などを調整できます。
また、当日の流れを事前に知っておくだけでも、恐怖心は大きく減ります。
不安を抱えたまま来院するより、「ここが不安です」と伝えてくださる方が、結果的にスムーズで安全な抜歯につながります。
「抜いたら終わり」と思われがちですが、親知らずの抜歯は術後のケアがとても大切です。
通常は翌日か数日後に消毒、その後に抜糸や経過観察を行います。
そのため、「次の日が忙しい」「しばらく通えない」という予定がある場合は、事前にお知らせください。
日程を少し調整するだけで、安心して治療を受けていただけます。
抜歯はその日だけでなく、その後の通院も含めてひとまとまりの治療です。
治療計画を立てる際は、無理のないスケジュールをご一緒に考えましょう。
親知らずの痛みが一時的に引くことがありますが、根本の原因は残っています。
炎症やむし歯、歯ぐきの腫れなどは進行していくことが多く、次に痛みが出たときには腫れが大きくなったり、麻酔が効きにくくなったりすることもあります。
「痛くないうちに抜く」ほうが、実は回復も早く、処置も楽です。
「痛みが引いたからキャンセルしようかな」と思ったときこそ、もう一度歯科医師に相談してみてください。
さて、キャンセルをできるだけしないようにするためのポイントをお話ししてまいりましたが、同じくお話ししたように、急病・急用でキャンセルせざるを得ない場面はあります。
そんなときは、分かった時点でご連絡ください。
どの歯科医院も、誰かがご予約枠を取っているということは、その時間帯を希望されている他の患者さんがいらしたとしても、お断りしているということになります。
もしキャンセルが分かった場合は、どうか遠慮無く、できるだけ早めにご連絡ください。
私たちもその分、他の患者さんに枠をお譲りするなど、最善の対応ができます。
何よりも大切なのは、担当の歯科医師・スタッフとのコミュニケーションです。
私たち四ツ橋歯科・矯正歯科クリニックは、患者さんに納得して治療を受けていただくことを第一に治療計画立案やご説明を行っておりますが、伝わらない部分、分かりにくい部分は当然出てくることと思います。
そんなときは、遠慮無く仰ってください。
どういう治療なのか、どれくらいの時間や手間があるのか、治療を受けない場合はどうなるのか、治療を受けた後のケア——。
治療計画には多くの情報が詰まっています。
それをきちんと患者さんと医院で共有して、一緒に治していくのが「治療」です。
全ての治療は、今後患者さんがより快適に健康に過ごしていくためのもの。
どうか協力して、一緒に治していきましょう。
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