「糖尿病と歯周病には関係がありますよ」と言われても、ピンとこない方は多いと思います。

実はこの2つの病気は、別々のものに見えて、お互いに悪影響を与え合う“仲の悪い関係”です。

放っておくとどちらも進みやすくなるため、早めのケアがとても大切です。

糖尿病と歯周病の関係

まず、糖尿病になると血糖値が高い状態が続きます。

血糖値が高いと体の抵抗力が下がってしまい、細菌と戦う力が弱くなります。

その結果、歯周病菌が増えやすくなり、歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなります。

「最近、歯ぐきがよく腫れる」「口の中がネバネバする」という方は、糖尿病が関係している可能性もあるのです。

反対に、歯周病が悪化すると歯ぐきで炎症が起こり、炎症によってつくられる物質が血液に入り込みます。

これが血糖値のコントロールを邪魔してしまい、糖尿病が悪化しやすくなります。

実際、歯周病を治療すると血糖値（HbA1c）が良くなる人が多く、内科の先生たちも「歯ぐきの治療は大切」と注目しています。

つまり、糖尿病も歯周病も、どちらか一方だけを改善しても十分ではないということです。

両方を一緒にケアすることで、お口も体も健康に近づいていきます。

糖尿病の方にオススメの口腔内ケア

糖尿病の方には、とくに次のことがおすすめです。
・3〜4ヶ月に一度の歯科検診・クリーニング
・毎日の丁寧な歯磨きとフロス
・口の中の乾燥に注意する（うがいを増やす・よく噛む）
・生活習慣の見直し（食事・睡眠・ストレスケア）

「歯ぐきの腫れが治らない」「最近血糖値が上がり気味」という方は、歯周病が原因かもしれません。

歯科でのケアは、糖尿病の治療を助ける“もう一つの薬”のようなものです。

気になる症状がある方は、早めにご相談くださいね。

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統括院長　枝澤 祐馬