矯正治療終了後に歯並びが歪んできたり、矯正治療前の歯並びに戻ってしまうことを「後戻り」と言います。
せっかく時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並びが動いてしまうのは、とても悲しいことです。
今回は、矯正治療後の後戻りを防ぐために気をつけることについて、後戻りの原因とともにご説明します。
歯は、骨や歯茎に支えられ固定されています。
そもそも矯正治療とは、固定された歯を動かすために、歯を支える骨や歯茎に普段かからない力を矯正装置を用いて加えることで、歯を動かす治療法です。
そのため、矯正装置装着中や矯正装置を撤去してしばらくの間は歯がしっかりと固定されておらず、ぐらぐらと動き安定しない期間となります。
矯正装置を撤去した後、リテーナーと呼ばれる後戻り予防のための装置の装着が必須となります。
矯正治療は、矯正装置を撤去したら終了ではないと言われるのはこのためです。
矯正装置を撤去してすぐは、新しい場所に移動した歯を支える骨や歯茎がまだまだ不安定な状態で、歯がしっかりと固定されておらず、わずかな力で動いてしまいます。
新しい骨や歯茎が再生し、しっかりと歯を支えるようになるまでの期間を「保定期間」と呼び、リテーナーの装着期間となります。
リテーナーとは、動きやすい矯正治療後の骨や歯茎を安定させた状態で維持できるようになるまで動かないようにするもので、いわゆる、骨折した時のギプスのような役割です。
リテーナーには、お口の中で固定する固定式のものと、取り外し可能な着脱式のものがあります。
【1】リテーナーの不使用
リテーナーの不使用や、そもそも矯正治療計画に保定期間が組み込まれていなかった場合、高い確率で後戻りが発生してしまいます。
特に着脱式のリテーナーの場合、自己判断での使用中止は絶対に避けましょう。
綺麗な口元を保つには、必ず担当医から指示のあった期間中は最後までリテーナーを装着し、後戻りを防ぐ必要があります。
【2】頬杖や口呼吸、その他の悪習癖
歯や歯茎、歯を支える骨は、唇や頬からの外側の力と舌からの内側の力でバランスを保っています。
頬杖や口呼吸をすることで、通常ではかからない力が歯や歯茎、歯を支える骨に加わることになり、結果として歯が動く原因となってしまいます。
舌を前に出したり、舌で歯を押してしまう舌癖(ぜつへき)や、歯で唇を噛んでしまう咬唇癖(こうしんへき)、歯ぎしりなども同じような要因から後戻りの原因として考えられます。
【3】親知らず
特に横向きに生えている親知らずは手前の歯を押すこともあるため、歯が動く原因となります。
リテーナーの正しい装着:まずは、担当医の指示通りにリテーナーを装着することです。
矯正装置の装着期間の終了が、矯正治療の終了を意味するものではありません。
矯正装置を除去してしばらくは歯が動くため、放っておくと矯正治療前の歯並びへ後戻りしてしまう危険性が非常に高いです。
そのため当院では矯正装置除去後、矯正装置を装着していた期間に対し、最短でも同期間は後戻り予防のためのリテーナーを装着していただきます。
悪習癖の改善:
リテーナーを使用しているにも関わらず後戻りしてしまった場合、悪習癖が原因として考えられます。
頬杖や口呼吸、舌癖や咬唇癖、歯ぎしりなど思い当たる習癖はないでしょうか。
しかしながら、一度癖づいてしまった習慣は何でも改善することは難しいですよね。矯正治療中であったり、これから矯正治療を考えているという方は、今のうちから少しずつ改善されるといいかもしれません。
後戻りを改善するには、その原因を正しく判断する必要があります。
過去に矯正の経験があり後戻りにお気づきの方は、できる限り早めの受診で早期対応をされることをお勧めします。
早期の対応であればあるほど、再矯正が必要となってしまっても綺麗な口元を目指しやすいです。
後戻りしたまま放置しておくことは、絶対にお勧めしません。
矯正治療後の後戻りが気になる方も含めて、当院での初回矯正相談は無料で承っておりますので、ぜひご利用ください。
大阪市西区・心斎橋で矯正認定医が治療を行う矯正歯科
四ツ橋歯科・矯正歯科クリニック
統括院長 枝澤 祐馬