最近、「高額なインプラント治療を契約させられたが、気が付けば歯が5本も抜かれていた」「途中で治療が放置され、保証もされなかった」といった歯科インプラント詐欺がニュースで取り上げられました。
見た目にも影響するお口の健康は、私たちの生活に直結する大切なテーマです。
だからこそ、治療に不安や疑問を感じたときには「セカンドオピニオン」を活用することが、患者さん自身を守る大切な一歩になります。
セカンドオピニオンとは?
「セカンドオピニオン」とは、今診てもらっている医師とは別の医師に意見を聞くことです。
これは「主治医を変える」という意味ではありません。
あくまで「他の見解を知る」ことで、納得のいく治療を選ぶための手段です。
よくあるセカンドオピニオンの内容について、以下のようなものがあります。
・インプラントを勧められたけど、本当に必要?
・別の選択肢(ブリッジや義歯)はない?
・この金額、相場と比べて妥当? etc.
このような疑問に対し、中立的な視点からアドバイスをもらえるのがセカンドオピニオンです。
セカンドオピニオンで救われることもある
セカンドオピニオンを受けていれば、明らかな過剰診療、必要のない治療や説明の不備、極端に高額な見積もりなどに、早くに気づける可能性があります。
「本当にこれでいいのかな?」と思ったときが、セカンドオピニオンを受ける最適なタイミングです。
セカンドオピニオンの受け方
まず、今通っている医院に、「セカンドオピニオンを受けようと思う」と伝えましょう。
「主治医と気まずくなってしまうのでは…」「主治医に失礼じゃないか」という心配の気持ちがあるかもしれませんが、先述したとおり、セカンドオピニオンは「主治医を変えること」ではありません。
他の意見も聞いて、納得できる治療を選ぶためのものですので、臆さず相談してみてください。
セカンドオピニオンのために、レントゲンや CT の持参が必要な場合がありますので、主治医から診療情報提供書を出してもらうのがおすすめです。
費用は状況によりますが、10,000 円~30,000 円程度になることがあります。
「主治医に黙って行く」のはよくありません。
現在の治療の情報が十分に伝わらず、セカンドオピニオン先の医院で追加の検査が必要になったり適切なアドバイスを受けられない可能性があります。
主治医との調整が済めば、セカンドオピニオン先に予約をしましょう。
セカンドオピニオンは、基本的に保険の適用がない「自由診療」と呼ばれる分類になります。
費用は 5,000 円~20,000 円程度が相場です。
予約の際には、必ず「セカンドオピニオンを希望しています」と伝えましょう。
どんな歯科医院を選べばいい?
セカンドオピニオンを受ける場合、次のポイントを意識して医院を選んでみてくだ
さい。
専門性があるか
セカンドオピニオンを受けたい内容に関する専門医がいる医院がおすすめです。
専門医は特に深い知識と実績を持っているので、より適切な意見を得られる可能性
が高いです。
セカンドオピニオンを受け入れているかどうか
セカンドオピニオンを受け入れていると HP で公開している医院には相談しやすいでしょう。
手続きもスムーズに進めてもらえます。
口コミが「丁寧」「説明が分かりやすい」など、対応面に言及されている、特に対応についての口コミの良い医院は相談しやすい雰囲気であることが多いです。
場合によっては、大学病院や公的機関の歯科口腔外科など、利害関係の少ない立場で意見を求めるのも一つの手です。
最後に
私たちが歯科治療を受けるとき、最終的な判断をするのはいつも「患者さん自身」です。
少しでも不安を感じたときは、「聞きに行くこと自体がリスクを減らす行動」だと思ってください。
安心して治療を受けるために、セカンドオピニオンを遠慮なく活用しましょう。