ブラケットと呼ばれる小さな矯正器具を用いた矯正治療では、ブラケット装置が外れてしまうことが度々あります。
ブラケットは歯を動かすために必要な装置ですので、ご自宅や外出先で外れてしまうと、その対処に悩まれると思います。
今回は、矯正治療中にブラケットが外れてしまった場合の対応についてご説明します。
矯正装置の一つである「ブラケット」とは、いわゆるワイヤー矯正に必要な矯正装置です。
ワイヤーを通すための穴が空いている小さな矯正装置で、1本1本の歯に矯正用の接着剤で接着し、歯に矯正力を加えます。
金属製のメタルブラケットがイメージしやすい方も多いと思いますが、セラミックやプラスチックで作製され目立ちにくく審美性に優れるブラケットやワイヤーもよく選択されます。
矯正装置は最終的に外すことを前提に接着されているので、100%外れないような装着は困難です。
取れにくく外れやすい絶妙な強度で装着されているため、矯正治療中に外れてしまった場合にはその都度対処していく必要があります。
金属やセラミック治療をした歯:
ブラケットは歯の表面にあるエナメル質と接着することで装着されます。
金属の被せやセラミック治療を施してある歯には専用の薬剤で処理をしブラケットを接着しますが、それでも外れてしまうことがあります。
フッ素を塗布した歯:
フッ素とブラケットを接着する接着剤の相性も良くありません。
接着しやすいようにどの歯にも前処理を施しますが、フッ素の影響でエナメル質が強化された歯はブラケットとの接着が弱くなってしまうケースがあります。
歯の湿り気が強い:
接着剤は水分に弱いため、唾液の分泌が多い人もブラケットが外れやすくなります。
噛み合わせが深い:
ブラケットが歯に当たりやすく、物理的に外れやすい状態になっています。
固いものを噛んだ:
ブラケットに負荷がかかり外れやすくなってしまいます。
歯が動いている:
矯正治療が進むにつれ歯並びが変化していき、その結果ブラケットが外れてしまうことがあります。
ブラケットが外れてしまうと、ワイヤーの上でプラプラと動く状態になります。
ブラケットが外れてしまったことに気が付いたら、まずはかかりつけの歯科医院に連絡をしましょう。
通院が必要なのか、自宅での応急処置で様子を見て大丈夫であるのかなど指示を受けてください。
短期間の内に何度も外れてしまったり次回の診察までに期間がある場合は、受診日を早めて装置の状態を確認する必要があるかもしれません。
自宅での応急処置としては、あらかじめお渡ししている矯正用のワックスでブラケットを固定することが多いです。
ブラケットがワイヤーから完全に取れてしまった場合には、清潔な状態で保管し通院時に持参してください。再利用できる場合もあります。
ブラケットが外れたまま、自己判断で放置することは絶対にお勧めしません。
ブラケットは小さな矯正装置で、一つ外れただけでは一見問題ないように見えますが、絶妙な力加減で歯を動かしている大切な矯正装置です。
装置が正しく機能していないと、最終目標としている歯並びになるまでに想定よりも長い時間がかかってしまったり、せっかく動いた歯が後戻りしてしまう可能性もあります。
必ずかかりつけの歯科医院に連絡しましょう。
今回ご説明したブラケット装置は、矯正装置の中でも最も外れやすい装置です。
外れてしまっても慌てることはありませんが、あまりにも頻繁に外れてしまうようでは矯正治療の効果が得られなかったり治療期間が長引いてしまうので、かかりつけの歯科医院に相談してみてください。
当院では初回矯正相談は無料で承っておりますので、ご興味のある方はぜひご利用ください。
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四ツ橋歯科・矯正歯科クリニック
統括院長 枝澤 祐馬