こんにちは。当院で舌痛症外来を担当している医療法人光惠会理事長の島田です。
ひとことに舌痛症と言っても、実は舌痛症には様々な種類があることはあまり知られていません。
私は多くの舌痛症患者さんの診察を行うなかで、実は心因性の舌痛症と同じくらい局所性の舌痛症が多いと感じています。
舌痛症には大まかに、局所性の舌痛症、全身性の舌痛症、心因性の舌痛症と突発性の舌痛症の4パターンがあるのですが、多くの患者さんが医療機関を受診すると、器質的な変化、病変がないことを理由に「気にしすぎですよ。」「異常は見あたらないのでとりあえずはお薬を飲みましょう。」などと、心因性や突発性の舌痛症と混同されて症状がなかなか改善しないということが多々見受けられます。
私は舌痛症の治療に際してとても注意していることがあります。それはその患者さんの既往歴、特に歯科での治療履歴です。
舌痛症の症状が出現しだしたのと同時期に歯科治療を受けておられる患者さんの場合、治療の前後で口腔内の状態がわずかでも変化することが引き金になって症状が出ているということがあります。
そのような場合、局所性の舌痛症である可能性があり、口腔内の歯や補綴物の形態を修正することで舌痛症の症状を大きく改善できることがあります。
特に下記に該当する場合は注意が必要です。
■歯の被せ物、詰物をしてから舌の不快症状が出始めた
■歯の矯正治療を受けている。あるいは矯正治療が終わった前後で舌に症状が出始めた。
■歯石取りをしたあとで舌、特に舌の先にヒリヒリ感を感じる。
■義歯を装着し始めたところ、舌に違和感、痛みを感じるようになった。
■義歯を作り直したあと、舌に違和感、痛みを感じるようになった。
■なんらかの理由で抜歯を行ったあとで、舌に違和感、痛みを感じるようになった。
■歯と歯の隙間が気になっている。食事中にものがつまりやすいと感じている。
これらのいずれかに該当する場合、一度当院を受診してみてください。
意外なところに舌痛症の原因がみつかるかもしれません。
医療法人光惠会 島田光