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教えてドクター座談会 舌痛症について

当院で舌痛症外来を担当している歯科医の島田 Dr.(ドクター)と口腔外科専門医の稲田 Dr.(ドクター)
ひかり歯科クリニック摂津院 院長の宮地 Dr.(ドクター)の三人に舌痛症について、
患者様からよくある質問や疑問点について対談形式でインタビューした内容をご紹介いたします。

舌痛症とはどのような症状ですか?

島田Dr.

舌(ゼツ)自体に炎症あるいは感染など、明確な所見はないけれど、持続的に舌がヒリヒリ痛い、違和感がある、上あごや下唇に持続的な違和感があるなどが多いです。

稲田Dr.

器質的な変化や異常がないにもかかわらず、痛みを訴える症状が舌痛症です。
器質的異常はないと言いましたが、まあ目には見えないぐらいの異常があったりはする場合もあるとは思います。

宮地Dr.

そうですね。舌の先や縁に痛みやしびれを感じたり、舌がやけどをしたような痛みを感じたりが一般的に多い症状だと思います。

たまに舌がピリピリと痺れるような感覚があります。舌痛症でしょうか?

稲田Dr.

舌痛症の可能性はもちろんあるけど、それだけでは特定はできません。
今はネットなどで情報が手に入りやすい時代ですが、ピリピリという感覚だけで自身で「舌痛症だ!」と決めつけてしまうのは危険です。

島田Dr.

一時的であれば気にしなくても良いかもしれません。来院される方の多くは何年も悩んでおられる方が多い印象です。
他の歯医者さんの先生に「気にすんな」「ほっといていい」「悪いもんじゃない」と言われて放置している方でも、長い期間(10年とか)続いていたら舌痛症である場合が多いです。

舌痛症の原因はなんですか?

宮地Dr.

色々ありますが、多いのは「血液中の鉄・亜鉛の不足」あるいは「ビタミンB12の不足」「唾液腺機能の低下(つばが少ない)」などそういったところですかねー。

島田Dr.

開口」なんかも舌痛症の原因になっている場合もあって、
他には、例えば口の中の気になる部分や、入れ歯を新調して、その入れ歯が気になってずっと舌で触っているなど、口腔内の変化があって気になり始めることが舌痛症の始まりになることもあります。

特に片側性(片側だけ)で痛いという場合は、口腔内に誘因が見受けられることが多い印象です。
たとえば右側だけ矯正の補綴装置(金具)等が気になって、舌で触って触ってしまうなど。

宮地Dr.

昔、僕の母親は歯周病専門の先生のところに通っていて手術後に歯根が下がって見えて、そこが気になって舌で触っているうちに舌が痛くなり舌痛症の症状が出ていました。

島田Dr.

まさにそのパターンですね!あとは「歯ぎしり」、「食いしばり」が夜間にある患者さんがやや多く、舌にも力が加わって舌痛症の原因になるということがあります。

歯ぎしりと食いしばりで、周囲に圧をかけてそのせいで痛い。そういう状態の方もたくさんおられます。

宮地Dr.

食いしばり歯ぎしりが原因と言われても、舌とどう繋がっているか不思議かと思われる方も多いと思いますが、舌も当たっているので、積み重ねられることによってそれが痛みに繋がることもありますね。

稲田Dr.

歯ぎしり食いしばりとベロの筋肉は同じ神経で動きます。
「原因」と言ってしまうと、確たる病気になってしまうので、僕は「誘因」ということが多いです。

例えば痛みの感じ方は人によって、年齢や性別によって違う、痛みに敏感になっている人は、口腔粘膜が乾燥することで痛みを感じやすくなり、違和感、力が入りやすくなります。
クレンチング(上下の歯を噛みしめて顎の筋肉を硬直させること)が起こると舌も下がって、うっ血したようになって浮腫んでしまいます。
多種多様な原因とは呼べない誘因のようなものがいくつか重なり合った結果起こってくるのが舌痛症という風に患者さんには説明しています。

島田Dr.

あと原因というか、気にしすぎてしまっている場合が多いです。
例えば自身の爪が割れていることに気づいていない人が、服の裾などに爪が引っかかったりして、
割れていることを認識した瞬間からずっと気になってしまって、しばらくそこに意識が集中してしまうことってあると思います。そうすると気になって痛いと思うようになったりする。
意識がそこに集中しすぎると、痛いと感じたり不快に感じたり気になって気になって仕方がくなってしまう。
これの延長に舌痛症がある場合もあります。

患者さんの中には、1日に10回、20回と自分の舌を見てしまう方もおられます。
意識がそこに集中しすぎて痛みの原因になっている患者さんには、「鏡で自分の舌をあまり見ないようにしてください」とお願いしたりすることがあります。

舌痛症は精神的な要因が原因になることが多いイメージですが?

島田Dr.

ストレスがたまったときに、それを発散させようとしたときの動作が要因になる場合もあります。
こぶしを強く握ったり、眉間に力が入ってしわを寄せたり、舌に力が加わって舌で歯を押し上げたり、
ストレスが原因で舌痛症になるというよりも、発散させるときの動作、習慣が原因になるというイメージです。

稲田Dr.

ストレスが掛かっているからといって直接的に痛いということはないと思います。
ストレスの結果、舌に負担がかかってそれが原因で痛みが出るといったケースが大半だと思います。

舌痛症になりやすい人、なりにくい人は?

島田Dr.

私が診ている舌痛症の患者さんは40代以降の方が多く、8~9割は女性です。
不思議なことですが、明らかに男女の比率は異なります。

あとは睡眠時間の短い人、あきらかに6時間前後あるいはそれ以下くらいの人が多い印象で、途中何回も起きてしまう、寝つきが悪いので睡眠導入剤を服用されている患者さんも多い傾向にあります。

稲田Dr.

なぜ女性が多いかというと、唾液量は年齢と共に減少しますが、圧倒的に女性にその傾向が強い。
なので舌が痛いと受診された方の大半の方は口腔乾燥が明らかにあります。
舌痛症が無い方でも、ベロを長時間外に出すなどして舌が乾くと痛くなってきます。

乾くと痛いというのはありますので、唾液が比較的減少しやすいという女性に多いという繋がりになってくるのかと思います。
舌が痛いという患者さんの中で、口腔内の潤いがしっかりしている方はほとんどいません。まず乾燥。

 

ガムを噛んだり飴を舐めたりすることで、舌痛症が緩和することはありますか?

稲田Dr.

当然あります。
ただ、口腔乾燥が解消されることや意識がガムや飴に行くことで、
その間だけ症状が緩和したり、ちょっと痛みが緩む程度ではあります。

島田Dr.

ガムを噛んだり飴を舐めたりしている間だけ、一時的に収まることはありますが、
根本的な解決にはなっていないので、きちんと舌痛症外来で治療した方が良いと思います。

舌痛症の治療には何回くらい通院が必要で、どのようなことをするのですか?

島田Dr.

患者さんによりますが、治療期間3ヶ月~半年の通院が必要な場合が多いです。
最初は月に2回受診して頂いて、その後は経過観察で月に1回ほど受診していただくようなイメージです。

稲田Dr.

これも患者さんによるんですが、スタンダードにしているのは保湿と投薬、習癖の排除、生活習慣の改善、などですね。

あとは口腔内に原因が特定される場合や局所性の舌痛症の場合は、適合不良を起こしている補綴物の形態を変えるとか、矯正によって歯列が少しでも改善すれば、症状がましになることもあります。 局所的な原因でなっている場合は、局所原因をなるべく取り除くことで一定の改善あるいは治癒が見込めます。

宮地Dr.

舌痛症の場合は一発で治ることはまずないです。受診したらすぐに治してもらえると思って来て頂くというよりは、時間を掛けてご自身で改善していくようなイメージです。

稲田Dr.

舌痛症に関しては、我々は口腔内の状態を診て原因を見つけることはできるが、即時に治せるというものではないです。

保湿にしても習癖の排除にしても、自覚して貰わないことにはどうにもならないです。
自覚して習慣的に環境を改善してもらうことが必要です。

島田Dr.

とはいえ、一般的に舌痛症外来で今みさせていただいている患者さんには初めて来られた時にご説明しますが、舌痛症で診療に来られた患者さんのうち、7割くらいの患者さんは現状よりは症状は改善していって、そのうち半分の患者さんはかなり良くなります。
悩んでおられる方は舌痛症外来の受診をおすすめします。

舌痛症を治す方法は?効く食べ物はありますか?

島田Dr.

治す食べ物というと難しいですが、食事中は基本的にあまり痛みを感じることはないんですよ。舌癌などの器質的な病変がある場合は、動かしたら痛いことが多いので食事をしたら痛みが増すことがあっても、感じなくなることは少ないんですが、舌痛症の患者さんの場合は、特に好きなものを食べている時は痛みを感じなくなることが多い。
おいしいもの、好きなものを食べてもらうことでストレスの緩和解消にも繋がるので、症状が良くなる場合もあります。

稲田Dr.

栄養が欠乏していることが原因の場合は、鉄・亜鉛など栄養をしっかりとってもらって、水分もしっかりと取ること「これを食べたら絶対に良くなる!」という物は特にないです。

舌に痛みがあり、内科や耳鼻科に行っても、何もないと診断されて症状が改善しません。舌痛症は治らないのでしょうか?

稲田Dr.

器質的な原因がない=病気ではないということになるので、神経などに異常があり病気の場合もあるが、少なくとも器質的異常がないという判断になるのは、歯科でも内科でも耳鼻科でも同じです。

宮地Dr.

あと補綴物が原因の場合は、歯列や口腔内の局所的な原因が舌痛症の引き金になっている場合は、内科や耳鼻科の先生よりは、当然歯科や口腔外科に携わる先生の方が深い知見を持っているので、まずは歯科を受診するのが良いかと思います。

島田Dr.

そうですね。局所的な原因がある場合は、歯科医師の目でしっかりと口腔内や舌の状態を診れますので、内科・耳鼻科・心療内科など色んな科に行かれますが一番最初に受診するのは、歯科・口腔外科の舌痛症外来を受診していただくことが近道ではないかと思います。

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